クリイロヒメドリ(Pteruthius aenobarbus)は、モズチメドリ類という複雑なグループに分類される、モズヒメドリ科の非常に興味深く、かつ見つけにくい種です。その名に反して、この種は真のモズでも典型的なチメドリでもなく、高地の鬱蒼とした森林の樹冠での生活に適応した独特な止まり木性の鳥です。体長11〜12cmと、同属の中でも小型の部類に入ります。野生下では、その姿を見ることは稀ですが、東南アジアの霧深い森に響き渡る独特でメロディアスな鳴き声によってその存在を知ることができます。目立たない性質と森林の上層部を好む習性から、鳥類学者やバードウォッチャーにとって憧れの観察対象となっています。クリイロヒメドリの生態学的役割と生活史を理解することは、アジアの山岳生態系の生物多様性を把握する上で極めて重要であり、森林の健全性と構造的な複雑さを示す重要な指標となっています。