ベニハシコガモ(学名:Netta peposaca)は、カモ目カモ科に分類される比較的大型の水鳥です。主に南アメリカ大陸の南部、アルゼンチン、ウルグアイ、ブラジル南部、チリ、パラグアイなどの湿地帯に広く分布しています。英名は「Rosy-billed Pochard」と呼ばれ、その名の通り、繁殖期のオスに見られる鮮やかなピンク色から赤色の嘴が最大の特徴です。この種は、一般的な潜水ガモのグループに属しながらも、その行動や習性には独特な一面が多く、鳥類学者の間でも興味深い研究対象とされてきました。広大な湿地や湖沼を好む彼らは、渡りを行う個体群と定住する個体群が混在しており、季節によってその生息密度が大きく変動することでも知られています。本稿では、この魅力的なカモの生態や形態、そして私たちが自然の中で彼らを観察する際に知っておくべき重要な知識を網羅的に解説していきます。